この技術・技法は、江戸時代末期に箱根町畑宿に住む石川仁兵衛(寛政2年[1790]~寛永3年[1850] )により創作されました。箱根寄木細工は、昭和59年5月に国の伝統的工芸品としての指定を受けました。
箱根細工には「挽物」と「指物」の2種類があります。 「挽物」はろくろを使用して作られる品物で、丸膳、盆、椀などがあり、明治以後は多くの玩具類も製作されています。 「指物」は主に箱類で、その表面を「寄木細工」や「象嵌(ぞうがん)細工」で装飾します。
京都嵐山、鳥取の大山と並ぶ日本屈指の樹種豊富な地に箱根山系はあります。箱根寄木細工は、様々な樹木の自然の色を生かして緻密な幾何学模様を施し、小箱や財布等の製品に利用するもので、他に例を見ない独特の木工芸品です。